昔、「竿竹屋さん」というのがありました。
「竿や〜竿竹〜」とスピーカーで流しながら、町をゆっくり走る。
あの声を聞いたことのある人は、きっと懐かしく思うでしょう。
でも、いまはもう、ほとんど絶滅状態です。
全国を回るトラックたち
昔は2トンや4トントラックに竿を山積みにして、
北海道から沖縄まで季節に合わせて全国を売り歩いた人たちがいました。
春はこの町、夏はあの町。
竿を積んで旅する商売。
日本中を舞台にした行商でした。
突然現れた「ハイテク集団」
そんななか、30年ほど前。
横浜に「竿竹を組織的に売る集団」が現れました。
軽トラックで街を流しながら、GPSで位置を管理。
売上もコンピューターで一括管理。
当時はまだGPSを営業に使うなんて珍しい時代。
「竿竹屋はなぜ潰れない」という本も出ましたが、
実際はファンタジーなんかじゃなく、かなりのハイテク経営でした。
時代の変わり目にいた商売
竿竹屋さんは、昭和の音風景のひとつでした。
それが、やがてハイテク管理に変わり、
そして今は、ほとんど消えてしまった。
ひとつの商売が、
「のんびりした声」と「ハイテク管理」という両極を経験したこと。
それ自体が、時代の面白さを物語っている気がします。
