わたしたちは、もうすぐ50年、物干しをつくり続けています。
物干しなんて、ただの棒。そう思うかもしれません。
でもその棒には、毎日の洗濯物と、人の暮らしがぶら下がっている。
だから、軽くても、丈夫でなければいけない。
だから、ちょっとしたキズや、色のわずかな差だって気になるのです。
ものづくりには、「理想」と「現実」のあいだがあります。
理想を追いかければ、どこまでもやりたくなる。
手触り、色合い、梱包の箱の中に入れる小さな緩衝材の質感まで。
でも、全部やっていたら、一本の竿はとんでもない値段になってしまう。
だから、どこかで線を引く必要があります。
ただ、不良やキズは論外です。
これは「妥協」ではなく「許されないこと」。
そのうえで、形の誤差や、塗装のわずかなムラのような、
工業製品なら必ず出てしまう“ばらつき”とどう付き合うか。
わたしたちの仕事は、その「ばらつき」と格闘する毎日です。
思うようにいかないからこそ、
「次はもっと良いものを」と新しい製品が生まれます。
やりたいことがあるからこそ、
まだまだ挑戦できるのだと思います。
物干しは、ただの棒かもしれません。
でも、その棒の中に、わたしたちは50年分の“やりたいこと”を込めています。

