秋の夜は、少し長い。
空気が静かで、風が冷たくて、
時間がゆっくり流れていくように感じます。
そんな夜に、洗濯機を回している。
介護している親の洗濯物を、ひとつひとつ手に取りながら。
シャツの袖に、食べこぼしのあと。
ハンカチには、少しシミがついている。
ポケットの中には、小さな紙くず。
それを見つけるたびに、
「今日もいろいろあったんだな」と思う。
洗濯という時間
洗濯は、ただ汚れを落とすだけじゃない。
一日の出来事を、静かに受け止める時間でもある。
干すとき、風にゆれる衣類を見ながら、
少しだけ、切なくなる。
昔は自分が洗ってもらう側だったのに、
今は自分が洗う側になっている。
そのことに、夜の静けさが、そっと気づかせてくれる。
風にゆれる想い
秋の夜風に揺れるシャツやタオル。
それは、親の人生の続きのようにも見える。
干しながら、
「今日も無事でよかった」と思う。
洗濯は、言葉のいらない“介護”なのかもしれません。
小さなやさしさ
汚れを落とすこと、干すこと、たたむこと。
それは手間だけど、
その一つひとつに、
親へのやさしさが込められている。
秋の夜長、
静かな時間の中で、
心の奥がそっとあたたまる。
そして、明日も洗う
また明日も、洗濯をする。
きっとまた、いろんな汚れがついている。
でも、それが生きている証。
秋の夜長に干す洗濯物は、
少し切ないけれど、
とてもやさしい時間です。

