物干し竿を見ると、
そこに“今日の人生”が干してあるのだと思う。
子どもの小さな靴下。
働く人のワイシャツ。
部活終わりのユニフォーム。
介護中の親の下着。
休日に着たお気に入りの服。
洗濯物は、今日の暮らしそのものだ。
その家にしかない物語が、
竿の上にずらりと並んでいる。
風に揺れているのは、ただの布ではない。
今日の気持ち、今日の疲れ、今日の思い出。
そういうものが、いっしょに揺れている。
物干し竿は、
家族の物語を静かに受け止める“舞台”だ。
どの家庭にもドラマがあるように、
どの物干しにも人生がある。

